美術展の企画

ART EXHIBITION
娘から父に贈る展覧会

廣本季與丸(ひろもときよまる)展

会期
2007年4月28日(土)~5月5日(土)
会場
カッシーナ・イクスシー SPAZIO1(JR恵比寿駅より徒歩5分)

本展覧会は、洋画家「廣本季與丸」の一人娘「夢子」氏の父への想いをかたちにした展覧会です。

廣本季與丸(1908年、愛知県宝飯郡三谷村*現蒲郡市三谷町生まれ)は、12人兄弟の7男として生まれました。幼少の頃から絵が好きで、1928年関西美術院と太平洋美術学校に学び、1934年に帝展(現日展)に初入選を果たし、画壇にデビューしました。長兄も8男である弟も画家という芸術家兄弟で、1936年には3人揃って文展入賞など、地元の新聞に大きく取り上げられたこともあります。

20代から東京に暮らし1940年頃から現在の世田谷に居を構え意欲的に制作に取り組みますが、1944年に徴兵され、復員後秋田に疎開し制作を再開し、東京に戻ります。

廣本は1975年に没するまで、「あるものをあるがままに」対象の「生命(いのち)」を表現し続けました。

その作品はどれも素朴でありながら、詩情豊かで愛情に満ちています。そのような心が伝わるのでしょうか、昨年開催の豊橋市美術博物館の「所蔵絵画名品100選展」に≪朝の雪道≫が展示され、参観者の投票によるベスト10に選ばれました。

本展では、小品から100号の大作まで約70点を展覧いたしますが、没後30年を過ぎた今あらためてその画業を一挙公開することになったのは、一人娘の田名夢子氏の父への想いによるものです。

また、開催場所の恵比寿SPAZIO 1は、展覧会開催会場としては異色の場所ですが、それも夢子氏が多くの方々に気軽に見ていただきたいという意図によるものです。ぜひGWのさわやかな季節のお出かけ先としてご案内をいただければ幸いに存じます。