齋正機(さいまさき)は、1966(昭和41)年福島県に生まれ、福島県立福島東高校で学んだ後、1992(平成4)年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、1994年に同大学大学院を修了し、現在、日本画家として活躍しています。
齋の作品は、おもに故郷福島に取材した何気ない日常や風景を柔らかく描き出すのが特徴で、見る人の心に郷愁を呼び起こします。
本展は、初期から新作≪夜ノ森ノ桜 ~Wonderful World~≫*までを厳選した約70点で辿るもので、齋作品の代名詞ともいえる「風景画シリーズ」「鉄道シリーズ」「子どもシリーズ」の代表作によって構成されます。四季が織りなす美しい風景画、子どもならではの愛らしい仕草の一瞬を切り取った作品の数々は、心を和ませてくれることでしょう。
今回、北陸地方で初めての個展となりますが、齋の故郷福島と砺波地方は古くからの縁で結ばれていることがわかりました*。齋の描く日本の原風景ともいえる情景は、深い共感を得られるものと確信しております。
*夜の森の桜…福島県富岡町に位置する320本の桜が並ぶ名所。福島第一原子力発電所から10キロ圏内に位置し、帰還困難区域とされ、桜の時期に限り開放された。齋は東日本大震災から10年を経た2021年の春に現地取材し本作を描いた。
*江戸時代、天明の大飢饉を経て、砺波地方から福島に多数の移民があったことが窺える史料が見つかっている。
●イベント
対談(予定)
日 時:令和4年9月10日(土)午後2時から
会 場:企画展示室 または 市民アトリエ
講 師:齋正機(出品作家)×立島惠(本展監修者、佐藤美術館学芸部長)
担当学芸員によるギャラリートーク
日 時:令和4年10月1日(土)午後2時から
会 場:企画展示室(要観覧券)