美術展の企画

ART EXHIBITION
未来につながる廃材アートの世界

サステナブルアート作品展

会期
2023年12月14日(木)~ 22日(金)
時間
午前10時30分〜午後7時(午後7時30分閉場) ※最終日は午後3時30分まで(午後4時閉場)
料金
無料
会場
日本橋高島屋S.C. 本館8階 催会場
企画協力
アート・ベンチャー・オフィス ショウ
概要
日本橋高島屋S.C.では、SDGsを身近に感じていただく機会として、2023年12月14日(木)から12月22日(金)まで、「未来につながる廃材アートの世界 サステナブルアート作品展」を開催いたします。

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年国連サミットで採択された、未来により良い環境を残す「持続可能な社会」を目指すため設けられた17の国際目標で構成されています。現状、ますますその取り組みが必要となるなか、本展では、SDGsを身近に感じていただく機会として「サステナブルアート」を代表する作家たちを紹介いたします。

昨今、環境問題をテーマに作品発表するアーティストは少なくありませんが、今回は特に「廃材」を素材として活用する3名のアーティスト―古紙ダンボールのみを使用し生き物の造形美や性質をユニークにとらえた立体作品を制作する玉田多紀氏、ガーナのスラムで暮らす人々の人権と環境問題を改善するため電子ゴミなどの廃棄物で作品を制作する長坂真護氏、廃材を使用し原寸大サイズの動物を制作する加治聖哉氏―にスポットを当てています。

彼らの作品はどれも親しみやすく老若男女どなたでも楽しんでいただけるもので、SDGsの理解・取り組みへのきっかけとしていただければ幸いです。

【出品作家】

●玉田多紀 TAMADA TAKI

制作する上で、要らぬ心配をせず失敗を恐れず気兼ねなくありのまま全力で立ち向かえる、 そんな魔法みたいな素材と出会ったことが、私の最大の幸運でしたtた。
四角い画面に縛られたくないと、油絵の具と筆を置きダンボールを握りしめたのが大学4年次。ダンボールを収集することで気づいたのは、メーカーや産地によって厚みや硬さや色合いの違いがあることです。なんでも良いわけではなく、塑像の土や木彫の木を選ぶように、古紙ダンボールの良し悪しを見分け、制作の段階に合わせて使い分けます。 揉んだり剥がしたりしながら独自の技法を確立させました。
気づけば時代はエコからサステナブルへ、0を1にするアートの価値が確立する時代がやってきたのだと思います。 主催の皆様にはこのような場に選出していただき感謝申し上げると共に、ご来館の皆様へのご挨拶とさせていただきます。どうぞじっくりご高覧いただけると幸いです。

造形作家
1983年 兵庫県生まれ
2007年 多摩美術大学造形表現学部造形学科卒業
古紙ダンボールのみを使用し生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品を制作。国内外の展覧会、ウインドウディスプレイ、TVメディアやワークショップでも精力的に活動。ダンボールの強度と柔軟性を生かした独自の技法を美術教育の現場でも広めている。
2023年、平塚市美術館、尼崎市総合文化センターにて「造形作家 玉田多紀 ダンボール物語」を開催。

《予約制》ワークショップ「古紙ダンボールで作る生き物」
■日時:12月16日(土)①午前10時30分 ②午後2時 ※各回15分前から受付開始
■会場:日本橋ガレリア コミュニティスペース(日本橋高島屋S.C. 新館1階)
■参加資格:小学1年生~中学3年生(保護者の方ご同伴)
■定員:各回15名様
■参加費:税込2,000円
■お申込みはこちらから

作家HP

●長坂 真護 NAGASAKA MAGO

この度は、サステナブルアート展への出展機会をいただき、深く感謝いたします。
我々はスラム撲滅をスローガンに具体的なアクションを行っています。現地でのアーティスト支援のギャラリー運営に、リサイクル工場、オーガニック農園、EV事業の四事業を展開。今日で38名のガーナ人を雇用するに至り、80%以上はこのスラムアグボグブロシー出身の若者で、我々の職場は活気づいています。 それもこれも、すべての原資は、銀行からの借り入れでなく、投資家たちの出資金、先進国の方々の寄付でもありません。すべては我々の絵画をコレクションしてくださった皆様の売り上げで運営されています。
我々の目標はスラム撲滅、この街に住む一万世帯全域にサステナブルで健全な仕事を提供することに尽力します。 我々は微力だが、無力ではない。1日1日を積み重ね、一人一人の雇用創生に注力し、不可能を可能にすべく、必ずや皆で、前人未到のスラム撲滅をやってのけます!

MAGO CREATION株式会社代表取締役、美術家
1984年福井県生まれ。
2017年、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。 以降、廃棄物で作品を制作し、その売上から生まれた資金で現地にリサイクル工場建設を進めるほか、環境を汚染しない農業やEVなどの事業を展開。経済・文化・環境(社会貢献)の3軸が好循環する新しい資本主義の仕組み「サステナブル・キャピタリズム」を提唱し、スラム街をサステナブルタウンへ変貌させるため、日々精力的に活動を続けている。
2022年9月、東京「上野の森美術館」にて自身初となる美術館個展を開催。同年11月、第51回ベストドレッサー賞、学術・文化部門受賞。ガーナに「MAGO MOTORS LTD」を設立し、現在ガーナ人38名が働いている。(2023年8月時点)

作家HP

加治 聖哉 KAJI SEIYA

私は廃材再生師として主に木材の廃材を使用し、実物サイズの作品を作っています。 今回、展示している作品は水族館、商業施設、学校、ギャラリー等の様々な場所で展示しています。廃材には人の思い、記憶、物語が詰まっています。誰が、何の目的で何を作った時に出たものなのか、そして古いものにはその地域での産業や特産品など歴史と文化も混ざっています。
廃材自体は知り合いの工務店や飲食店、木工職人や他にも色々な所からいただいたものです。 それらをただ捨ててしまうのは大切なものを無くすようで、悲しいと私は感じました。 私の作品では廃材を削ったり、磨いたりせず、なるだけありのままの姿でそれらを汲み取ってもらえるように制作し、多くの方に見ていただけるように各地で展示をしています。 廃材に詰まっている大切なものを私が継承し、皆様に伝わることを願っています。
皆様にはこの作品に使われているのはなんの材料だったのか、どんな思いが詰まっているのかを想像しながら作品をご覧いただけますと幸いです。

廃材再生師、 1996年生まれ。新潟県村上市出身。
2018年長岡造形大学美術工芸学科卒業。大学在学中より長岡市をはじめ、多くの地域に作品を提供し、地域活動にも積極的に関わる。大学卒業後、有限会社カイカイキキに在籍。現在は、廃材で原寸大サイズの動物を作るアーティストとして独立して活動。
『役目を終え、死んでしまった「廃材」たちに、もう一度、「生命」を吹き込む』をコンセプトに「廃材」でダイナミックな等身大の動物から手のひらサイズの動物まで制作。

作家HP