美術展の企画

ART EXHIBITION

DOMANI・明日2021-22

文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち
プレスリリース
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新型コロナ禍の拡大と長期化は、※在研制度とDOMANI展にも様々な影響をもたらし、例年の国立新美術館における大規模展開催がかなわない状態となりました。そこで第24回目を迎える今年度のDOMANI展は、従来から実現の機会を探ってきた地域展開に挑みます。これまで「在研生」の出身地、在住地、活動地などでゆかりのある地域や美術館に声がけし、5つの「場所」から賛同をいただきました。それぞれ芸術系大学や現代美術を志向する美術館などがあり、本制度やDOMANI展と親和性があります。企画自体はそれぞれの館等に委ねつつ、2000年前後から近年までの在研生を組み合わせた、新鮮な企画――展覧会やワークショップになっています。

このうち「DOMANI plus」は従来の「DOMANI・明日展 plus」シリーズを踏襲した中・小規模の企画展、「and DOMANI」は各開催施設の自主企画に連動する特別プログラムです。本開催がそれぞれの地で在研制度とその経験者の表現にふれていただく機会になり、未来の「在研生」との出会いの機会になることを願っています。

なお、年度末に5会場分の成果をとりまとめたカタログを刊行予定です。さらに、この機にかねてからの課題であった、アーカイブ作業も進めます。すでに展覧会ウェブサイトで過去展の会場写真等をアップしてまいりましたが、この機に第1回展から23回展の記録集を刊行します。

コロナ禍の先行きが不分明ななか、イレギュラーな一年を過ごす「DOMANI・明日展」となりますが、展示と出版をあわせた積極的な活動にご期待ください。

※※新進芸術家海外研修制度(旧:芸術家在外研修)
文化庁では、新進芸術家海外研修制度として美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術等、メディア芸術の各分野における新進芸術家の海外の大学や芸術団体、芸術家等への実践的な研修に従事する機会を提供しています。
研修期間は、1年、2年、3年、特別(80日間)、短期(20日~40日)及び高校生(350日)の6種類があり、平成29年度末までに、約3,500名が研修をしています。(昭和42年から平成13年度末までは、「芸術家在外研修」事業として実施。)
〇文化庁HP「世界に羽ばたく新進芸術家等の人材育成」:http://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/shinshin/

●and DOMANI
「and DOMANI」は、この度スタートする新しい枠組。各文化施設の企画にDOMANI展がコラボレーションしていきます。

・水戸会場ワークショップ)
事 業 名 :蓮沼昌宏ワークショップ「つくろう!クルクルアニメーション」 and DOMANI @水戸
(「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」展関連プログラム)

19世紀後半に考案されたキノーラというフリップ・ブックの原理で絵が動く装置を用いてアニメーションを制作する蓮沼昌宏を講師に招き、アニメーションの原理について学び、体験するワークショップを行います。制作と展覧会の鑑賞を通じてアニメーションの構造を理解するとともに、参加者自らがその方法で描いた絵がアニメーションとして動きだすまでの過程を体験します。完成した作品は、水戸芸術館での上映会にて発表する予定です。

ワークショップ
会期・会場
2021年12月3日(金)、6日(月)、7日(火) 水戸市内の中学校 ※参加募集はしていません。
2021年12月4日(土) 水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
主催 :文化庁、公益財団法人水戸市芸術振興財団

上映会
会  期:2022年1月8日(土)~16日(日) 月曜日休館 ※ただし1月10日(月・祝)は開館、1月11日(火)休館
開館時間:10時~18時(入場は17時30分まで)
会  場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
主  催:文化庁、公益財団法人水戸市芸術振興財団
入場料 :無料 ※ただし、佐藤雅晴展入場券が必要です。

作    家:
蓮沼昌宏 1981年生、現代美術、2016年度(1年研修) ドイツ/フランクフルト
1981年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程芸術学専攻修了。現在、長野県を拠点に活動。
絵画、キノーラ(映画以前の動画技法)の手法を用いて制作。テーマに「新しい昔話」「鳩とのフィールドワーク」などがある。記録写真家として川俣正、PortB などのプロジェクト型作品を撮影している。

〈DOMANI・明日展参加歴〉
「21st DOMANI・明日展」国立新美術館, 東京(2019)、「DOMANI・明日展 PLUS×日比谷図書文化館 Artists meet Books 本という樹、図書館という森」千代田区立日比谷図書文化館, 東京(2017)。
〈主な近年の展覧会〉
「奥能登国際芸術祭2020+」石川(2021)、個展「特別的にできない、ファンタジー」神戸アートビレッジセンター(2021)、個展「物語の、準備に、備える」富山県美術館(2020)、「瀬戸内国際芸術祭」香川、岡山(2016)、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」新潟(2015)など。

・京都会場展覧会)
展覧会名:「CONNECT⇄ 」 and DOMANI @京都「宮永愛子 公孫樹をめぐるロンド」
(文化庁「障害者等による文化芸術活動推進事業」関連プログラム)

京都府立図書館は1909年に現在の京都・岡崎公園の地に、建築家・武田五一の設計により建った、日本でももっとも長い歴史を持つパブリック・ライブラリーのひとつです(2001年にリニューアル)。創設時から同館にある、陶芸家・初代宮永東山《公孫樹文花瓶》(1908)を起点に、そのひ孫にあたる宮永愛子が、「図書館」という文化資源を意識した、新作・近作を交えたインスタレーションを館内外で展開します。館内で同時開催の「おどろきの『群書類従』!」展とも連携します。

会  期:2021年11月30日(火)~12月19日(日) 月曜日休館(12月6日、13日)
開館時間:平日9時半~19時、土日祝9時半~17時(予定)
会  場:京都府立図書館
主  催:文化庁、京都府立図書館
協  力:ミヅマアートギャラリー
企  画:文化庁(林洋子)、京都府立図書館(堀奈津子)
制作協力:アート・ベンチャー・オフィス ショウ
アートディレクション:見増勇介(ym design)
機材提供:Twelve Inc.
入場無料

出品作家:
宮永愛子 1974年生、現代美術、2007年度(1年研修) イギリス/エジンバラ
1974年、京都府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。現在、京都府を拠点に活動。
日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩、陶器の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時間を視覚化し、「変わりながらも存在し続ける世界」を表現する。

〈DOMANI・明日展参加歴〉
「DOMANI・明日展2020」国立新美術館, 東京(2020)、 「DOMANI・明日展 PLUS×日比谷図書文化館 Artists meet Books 本という樹、図書館という森」千代田区立日比谷図書文化館, 東京(2017)、「DOMANI・明日展 PLUS×京都芸術センター ワームホール・トラベルーゆらぐ時空の旅ー」京都芸術センター(2016)。

〈主な近年の展覧会〉
「コレクションとの対話:6つの部屋」京都市京セラ美術館(2021) 「北アルプス国際芸術祭2020-2021」長野(2021)、「東京ビエンナーレ2020/2021」湯島聖堂, 東京(2021)、個展「宮永愛子:漕法」高松市美術館, 香川(2019)、「瀬戸内国際芸術祭2019」女木島, 香川(2019)、個展「宮永愛子:なかそら―空中空―」国立国際美術館, 大阪(2012)など。

〈主な受賞歴〉
第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(2020)など。

・広島会場展覧会)
展覧会名:「どこかで?ゲンビ」 and DOMANI @広島「村上友重+黒田大スケin広島城・二の丸」
(広島市現代美術館 館外展開プロジェクト「どこかで?ゲンビ」関連プログラム)

広島市現代美術館が休館中に展開するプロジェクト「どこかで?ゲンビ」の一環として、写真と彫刻というジャンルの異なる2作家による、広島市内を中心としたリサーチや人々との交流を通した制作を紹介します。幅広い写真技術を活用する村上友重は、レクチャーやワークショップ、参加者との協働を交えた「広島の光の採集」とも言うべき活動を構想し、野外彫刻に関する映像作品を近年手がける黒田大スケは、広島の平和記念公園周辺などに設置される彫刻を題材とした作品に取り組みます。

会  期:2022年1月8日(土)~2月13日(日) 3月10日(木)
※本展は、展示内容を改編し、3月10日(木)まで会期を延長いたします。
現在は、新型コロナウイルス感染拡大の状況を受けた広島市の方針により休場中です。
再開日程は、決まり次第お知らせします。
開館時間:9時~16時半(入場は16時まで)
会  場:広島城・二の丸
主  催:広島市現代美術館、文化庁、広島城
入場無料

出品作家:
村上友重  1980年生、写真、2018年度(1年研修) オランダ/アムステルダム
1980年、千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部総合人文学科文芸専修卒業。東京藝術大学での勤務を経て、ノーザンブリア大学(イギリス)に在学。現在、広島県を拠点に活動。
季節や時間帯によって移ろう光、温度や湿度で変わる空気など、見ているはずなのに見えない、不確かなものを風景のなかで捉え、写真作品として発表。近年は特に光への関心を深め、観察や分析といった行為も含めた作品の制作を試みる。

「DOMANI・明日展」初参加
〈主な近年の展覧会〉
に、「絵画のなかの風景」なかた美術館, 広島 (2020)、「VOCA展」上野の森美術館, 東京(2016)、「《写真》見えるもの 見えないもの #2」東京藝術大学陳列館, 東京(2015)、「CONTEMPLATION : Emerging Female Photographers from Japan」Texas Woman’s University Gallery, テキサス、アメリカ(2013)など。

〈主な受賞歴〉
「Foam Talent」オランダ(2012)など。

黒田大スケ 1982年生、彫刻、2018年度(1年研修) アメリカ/フォートワース
1982年、京都府生まれ。広島市立大学大学院博士後期課程修了。彫刻家、橋本平八の研究で博士号取得。作品制作の他に展覧会の企画運営もてがける。アーティスト・コレクティブ「チームやめよう」主宰。現在、関西を拠点に活動。
彫刻に関するリサーチを基に、近代以降の彫刻家やその制作行為をモチーフとしたパフォーマンス的要素の強い映像を制作、シリーズとして展開している。

「DOMANI・明日展」初参加
〈主な近年の展覧会〉
「対馬アートファンタジア2020-21」対馬市, 長崎(2021)、個展「祝祭の気配」トーキョーアーツアンドスペースレジデンシー, 東京(2021)、「未然のライシテ、どげざの目線」京都芸術センター(2021)、個展「不在の彫刻史2」3331 Arts Chiyoda, 東京(2019)、「瀬戸内国際芸術祭2016」小豆島旧三都小学校, 香川(2016)など。

●DOMANI plus
「DOMANI plus」は、2015年以降、地方会場やオンライン等で展開してきた、中・小規模ながら、テーマ性のある企画展です。
・愛知会場展覧会)
展覧会名:DOMANI plus @愛知「まなざしのありか」

愛知芸術文化センター、港まちを会場に、愛知県を拠点にするアーティストを含む、4名のアーティストによる展示を行います。これまで愛知県内では、愛知芸術文化センターや名古屋港エリアをはじめ、さまざまな地域で展覧会や芸術祭が数多く開催され、都市と芸術が密接な関係性を持ちながら、同時代の表現活動が盛んに行われてきました。今回、愛知芸術文化センター会場では色彩や形、港まち会場では家族や記憶、時間などをキーワードに、それぞれのアーティストが見つめる「まなざしのありか」とその先に映し出される存在に出会う場を創出します。

主   催:文化庁、国際芸術祭「あいち」組織委員会、港まちづくり協議会
協   力:愛知県防水工事業協会、アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会、KENJI TAKI GALLERY、MAHO KUBOTA GALLERY、Yutaka Kikutake Gallery、 Yumiko Chiba Associates
企   画:国際芸術祭「あいち」組織委員会(塩津青夏)、Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya](青田真也、吉田有里)
制作協力 :アート・ベンチャー・オフィス ショウ

愛知芸術文化センター会場
愛知芸術文化センターは、多様な芸術文化活動を推進する拠点として、1992年に栄地区にオープンした複合文化施設です。ここでは、美術館や劇場においてさまざまな展覧会やあいちトリエンナーレなどが開催されてきており、2022年には国際芸術祭「あいち2022」の会場にもなります。
今回、愛知芸術文化センター会場では、これまで平面や立体などさまざまな技法によって空間における色の存在について考えてきた大塚泰子と、さまざまな既製品を見つめてその構造や造形を着想の起点に現代的な彫刻作品を制作し続けてきた冨井大裕の作品を展示します。2人のアーティストの作品を見ることで、色彩や形体をまなざすというシンプルな行為のさまざまなあり方を考え、これまでにないものの見方のヒントを得る機会になるでしょう。

会   期:2022年1月18日(火)~1月23日(日)
時   間:10時~18時(金曜日は20時まで)※入場は閉場30分前まで
会   場:愛知県美術館ギャラリーJ
入場無料

出品作家:
大塚泰子 現代美術、2009年度(1年研修) イギリス/エジンバラ
1968年広島県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了。現在、愛知県を拠点に活動。
リトグラフ(石版画)の手法やクレパスなどの素材を用いて作品を制作する。平面や立体作品によって空間そのものを構成し、かたちのあるものがもつ「色」や「色の存在」そのものの新しい見方を提示する。

「DOMANI・明日展」初参加
主な近年の展覧会に、 「one moment blue (瞬間の青)」ケンジタキギャラリー, 愛知(2021)、「ミュージアムとの創造的対話03 – 何が価値を創造するのか?」鳥取県立博物館(2020)、 「Kaya no Soto」Hebel_121, バーゼル, スイス(2019)、 「アイチアートクロニクル展 1919-2019 」愛知県美術館(2019)、「Art Obulist 2017」大府, 愛知(2017) など。

冨井大裕 彫刻、2014年度(1年研修) アメリカ/ニューヨーク
1973年新潟県生まれ。 武蔵野美術大学大学院研究科彫刻コース修了。現在、同大学准教授。東京都を拠点に活動。
既製品や日常の風景を見つめることで、モノがもつ構造や造形を把握し、固定された本来の役割をとらえ直しながら、現代における彫刻の新しい可能性を模索し続ける。実験スペース「壁ぎわ」、「はしっこ」世話人。

「DOMANI・明日展」初参加
主な近年の展覧会に、「所蔵作品展『MOMAT コレクション』」東京国立近代美術館(2021)、「練馬区立美術館開館35周年記念 Re construction 再構築」練馬区立美術館, 東京(2020)、「引込線/放射線 Absorption/Radiation」第19北斗ビル/所沢, 埼玉(2019)、「アッセンブリッジ・ナゴヤ 2017」名古屋港~築地口エリア一帯, 愛知(2017)、「アーティスト・ファイル 2015」国立新美術館, 東京(2015) など。

港まち会場
貿易を中心にさまざまな場所から人やものが行き交いしてきた港まち。今から100年ほど前に埋め立てによって作られたこの場所は、人びとが日々の暮しを重ねて来た場所でもあります。
港まち会場では、これまでフェミニズム的な問題をテーマに創作に取り組んできた長島有里枝と、形ある物にはじまり、近年では形のないエネルギーとしての労働や身体に関心を持ち制作する古橋まどかの作品を展示します。長島は自身の母親と、また自身のパートナーの母親と共同で制作したタープとテント、その制作過程で撮影した写真によって会場を構成。古橋はコロナ禍の愛知にて経験した家族の死、あらたな日課となった庭づくりに加え、瀬戸の鉱山への来訪などを経て、本年秋からの港まちでの滞在制作(「MAT, Nagoya Studio Project vol.7」)によって、自然史の延長に身体をとらえる新作を発表。
2人のアーティストの作品を通して、時代という言葉では語りきれない個人史を軸にした視点とその対象を見つめます。

会   期:2022年1月18日(火)~3月12日(土) 日・月曜日、祝日は休み
時   間:11:00–19:00(入場は閉場30分前まで)
会   場:港まちポットラックビル3F、 旧・名古屋税関港寮
入場無料

出品作家:
長島有里枝 写真、1998年度(1年研修) アメリカ/カリフォルニア1973年東京都生まれ。カリフォルニア芸術大学ファインアート科写真専攻修士課程修了。武蔵大学人文科学研究科博士前期課程修了。現在、東京都を拠点に活動。
社会で周縁化されがちな人びとや事象に、フェミニズム的視座から注目した作品を多く制作している。近年は写真だけでなく立体作品、映像、文章の執筆など、表現ジャンルを超えた活動を行っている。

「DOMANI・明日展」初参加
主な近年の展覧会に、「長島有里枝×竹村京 まえ と いま」群馬県立近代美術館(2019)、個展「知らない言葉の花の名前 記憶にない風景 わたしの指には読めない本」横浜市民ギャラリーあざみ野(2018)、個展「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」東京都写真美術館(2017)など。出版歴に、 『「僕ら」の「女の子写真」からわたしたちのガーリーフォトへ』大福書林(2020)、『Self-Portraits』Dashwood Books(2020)など。受賞歴に、第36回東川賞 国内作家賞, 北海道(2020)など。
ゲストキュレーターとして企画した展覧会「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で」金沢21世紀美術館、石川(2021)が開催中。

古橋まどか 彫刻、写真、インスタレーション、2017年度(1年研修) メキシコ/オアハカ
1983年長野県生まれ。英国AAスクールで建築を学び、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート大学院芸術学科修士課程を修了。現在、愛知県を拠点に活動。
有形である物、無形の身体、エネルギー、労働などをリサーチの主題とし、滞在制作を基軸に活動。地域、場所、時間特性を反映する彫刻、インスタレーション、空間表現を手掛ける。

「DOMANI・明日展」初参加
主な近年の展覧会に、個展「ナンセンス、無体物、スト的状況」板室温泉
大黒屋, 栃木(2019)、「Narratives of Exchange / Exchange of Narratives」アルンノス財団, メキシコ·シティ, メキシコ(2018)、個展「Body Object Thing Matter」Yutaka Kikutake Gallery, 東京(2018)、個展「Raw Material, Goods and Human Body」iCAN, ジョグジャカルタ, インドネシア(2017)、個展「Il Quarto Stato」クンストハレ·ブレーシャ, ブレーシャ, イタリア(2015)など。受賞歴に、第8回資生堂アートエッグ賞ノミネート(2013)。

・石巻会場(展覧会)
展覧会名:DOMANI plus @石巻「つまづきの庭」

大震災から10年という年月が世界的なパンデミックという新たな災厄の中で経過し、誰しもが一度ならず願った好転の機会はいまだ霧の中。震災復興の過程で、ならされてゆく東北の姿に、近代社会がいかに人々の精神を抑圧してきたかを見たアーティストの志賀理江子は、「復興」の意味を再考することをうながします。それに応答する形で、メキシコ・オアハカのアートシーンをリサーチしてきたキュレーターの清水チナツが、志賀とともに立ち止まって思考を巡らせるための場を旧観慶丸商店(1930年創建、石巻市有形文化財)にひらきます。また、会期中に振付家の磯島未来によるワークショップもおこないます。

会  期:2022年2月19日(土)~3月13日(日) 火曜日休館(2月22日、3月1日、8日)
開館時間:10時~17時
会  場:旧観慶丸商店(宮城県石巻市)
主  催:文化庁
制作協力:アート・ベンチャー・オフィス ショウ
入場無料

出品作家:
志賀理江子 1980年生、現代美術、2007年度(1年研修) イギリス/ロンドン
1980年、愛知県生まれ。ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン卒業。現在、宮城県を拠点に活動。
2008年に宮城県に移り住んで以来、写真というメディアとは何かを追求し、人間社会と自然の関わり、死の想像力から生を思考すること、何代にも溯る記憶などを題材に制作を続ける。

「DOMANI・明日展」初参加
〈主な近年の展覧会〉
「Reborn-Art Festival 2021-22」石巻, 宮城(2021)、個展「ヒューマン・スプリング」東京都写真美術館(2019)、個展「ブラインドデート」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館, 香川、(2017)、個展「カナリア」Foam写真美術館, アムステルダム, オランダ(2013)、個展「螺旋海岸」せんだいメディアテーク, 宮城(2012)など。

〈主な受賞歴〉
Tokyo Contemporary Art Award(2021-2023)、第35回東川賞国内作家賞, 北海道(2019)など。

磯島 未来(振付家) 1983年生、ダンス、2008年度(2年研修) ドイツ/ベルリン
1983年、青森県生まれ。日本女子体育大学・舞踊学専攻卒業。振付家。現在、岩手県を拠点に活動。
ベルリンから帰国後、自身が構成・演出を担うグループ「未来.Co」を立ち上げ、作品上演を国内で重ねる他、音楽家とのセッションや、各地でワークショップのファシリテートを務める。2017年から岩手県大船渡市に移住、郷土芸能「浦浜念仏剣舞」「金津流浦浜獅子躍」の踊り手も担う。

清水チナツ(キュレーター) 1983年生、アートマネージメント、2019年度(1年研修) メキシコ/オアハカ
1983年、福岡県生まれ。2011~18年までせんだいメディアテークの学芸員として勤務後、2019年に、志賀理江子、長崎由幹、佐藤貴宏、菊池聡太朗とともにPUMPQUAKESを設立。インディペンデント・キュレーター。現在、宮城県を拠点に活動。
主な企画展に、「畠山直哉 まっぷたつの風景」せんだいメディアテーク, 宮城(2016)。『あいたくて ききたくて 旅にでる』(小野和子 著、PUMPQUAKES、2019)を企画・編集し、同作が第7回 鉄犬ヘテロトピア文学賞、第10回 梅棹忠夫 山と探検文学賞受賞。

DOMANI公式HPはこちらから
展覧会名、会期等は今後、コロナ禍等の進展状況によっては変更の可能性があります。
最新情報はDOMANI公式ホームページで紹介してまいります。

【文化庁メディア芸術祭での紹介パネル掲出の様子】